貸会議室はメリット多い研修スペース、様々なスタイルにも適応
貸会議室は、2010年代に入ってから増え続けている、いわゆるレンタルスペースのひとつです。不況や自然災害が、2000年代後半から2010年代の初頭にかけて日本を襲いましたが、その影響で多くの会社がビジネスを縮小したり、経費削減へと舵を切ったりしたため、特に大都市中心部のオフィスに空きが多く見られるようになりました。
そんな中、そのスペースを有効に活用しようと勢力を伸ばしてきたのが貸会議室というビジネスです。名前の通り、会議室をレンタルしようという発想は、経費削減のために自社の会議室や応接室を他の目的に転用したり、また手放したりした会社にとって魅力的なものでした。現在、貸会議室の部屋数は、全国で3000室以上あるとされています。
貸会議室の利点は、実は会議の開催だけではありません。貸会議室には、会議開催に必要なさまざまな備品や設備が整っています。これらを使用するイベントであれば、だいたい貸会議室で開催することができます。即ち、貸会議室は用途が幅広いのです。
ビジネスにおいては会議のほか、小規模なミーティング、商談、説明会、採用面接、入社式などに利用することができます。また、内覧会や上映会などのイベントに利用されることも増えています。最近はセミナーや研修といった用途で使用されることも増えてきていますが、その理由として会場をフレキシブルに利用できることが挙げられます。
フレキシブル?特化型?用途広がる貸会議室
貸会議室がさまざまな用途に使われている理由は、単にフレキシブルだからというだけではありません。それぞれの貸会議室が、それぞれの強みを活かしてサービスを行っています。たとえば貸会議室の中には、パーティーや宴会に強いところもあります。
「会議室」なのにパーティーとは「これいかに」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、貸会議室の用途はそこまで広がり、そして特化してきています。しかし、貸会議室の利用方法としてオーソドックスなのは、やはり会議や企業研修といった使い方でしょう。
企業研修での利用が増えている貸会議室
企業研修は、企業の営利を追求する活動を続けるため、優秀な人材を育成することです。企業研修は、もちろん昔から行われていますが、経済に停滞感のある現在、研修により優秀な人材を育て上げることは、多くのビジネスにとって重要なことです。企業研修は、新入社員を対象とした「新入社員研修」と、ビジネススキルを向上させるために行う「スキルアップ型研修」の二つに大別することができます。どちらのタイプの企業研修でも、外部の団体が主催する研修へと社員を派遣する企業が増えています。
外部の団体による研修では、他の企業からも多数の人が参加するため、講師を招いて行う社内研修に比べれば自由度はありません。しかし、より新鮮で、より実践的な研修になる可能性は高いでしょう。このように外部で行われる研修では、ワークショップ形式などの実践的なカリキュラムが採用されています。そのため、部屋の選択肢が多く、机や椅子のレイアウトも自由度の高い貸会議室がよく会場に選ばれるのです。
企業研修開催としての貸会議室が持つメリット
貸会議室には、既にお話ししたとおり多くのメリットがあります。これらのメリットが、企業研修主催者の思惑とマッチしているのです。
研修のスタイルにより部屋のチョイスが可能
企業研修には、ワークショップや講義型など、さまざまなスタイルがあります。それぞれのスタイルに合わせて会場を選択できるのは、貸会議室が持つ大きなメリットです。
備品と設備がそろっている
貸会議室の備品や設備は、椅子や机を除いては通常、有料でのレンタルになります。しかし、これらの備品の多くは、自社でそろえる場合、かなり大きな出費になることは間違いありません。有料で使用できる備品は、講演台などのほか、ホワイトボードやレーザーポインター、マイクなどの音響機器、プロジェクターやスクリーンなどの映像再生用の機器があります。また、貸会議室によっては、Wi-Fiが無料で利用できる場合もあります。
ケータリングサービス
貸会議室の中には、ケータリングサービス会社と提携して、食事やお茶菓子の提供をしてくれるところがあります。このケータリングサービスが、貸会議室の利用範囲を大きく広げていると言っても過言ではありません。お弁当やお茶菓子、立食スタイルのパーティー、かんたんなランチ、研修終了後の懇親会など、研修の内容によってチョイスすることが可能です。
控え室や休憩室も作れる
貸会議室を企業研修に利用する利点として、講師の控え室や研修参加者の休憩室などを、会場すぐそばに設置できることが挙げられます。意外に忘れがちなことですが、このようなスペースを設けることも、研修の運営では大切なことです。
最高の立地
企業研修を行う上で、まず考えなければならないのは、参加者の利便性ではないでしょうか?貸会議室は、既に触れた通り、その多くは大都市主要駅から徒歩圏内に位置しています。東京の場合、品川駅や新橋駅から徒歩数分という立地です。このような立地に自社ビルを構えている会社はなかなかありません。これだけ便利な研修会場を安価に利用できることは、貸会議室以外にはなかなかありません。
企業研修のスタイル
講義
大学の講義のような座席レイアウトで行う研修です。以前から日本では一般的なスタイルで、講師がトークを進める上で適したスタイルだと言えるでしょう。ただ、このレイアウトで行う場合、どうしても講義を聴講する参加者が受け身になりがちです。経験がある方も多いと思いますが、参加者のモチベーションを長時間保つためには不向きなスタイルと言えるかもしれません。
また、このスタイルの研修は、インターネットやビデオに切り替えることもかんたんです。その方がコストパフォーマンスに優れ、研修参加者を評価することもかんたんです。貸会議室で講義スタイルの研修を行う場合は、パワーポイントなどのスライドを使ったシンプルなやり方がいいでしょう。
ワークショップ
講義とともによく行われているのが、このワークショップスタイルの研修です。マーケティングなどをテーマに、いくつかのグループに分かれて討論やリサーチをすることで、実践的な知識やスキルを学んでいきます。ワークショップにおいて重要な役割をするのは、ワークショップの流れをコントロールするファシリテーターです。ファシリテーターは、テーマを熟知した人間が務めることが求められます。
ワークショップはグループに分かれて作業し、最終的に成果を発表することが一般的です。そのため、島形にテーブルを配置することが多く、やはり座席レイアウトがフレキシブルな貸会議室が多く利用されます。
使い方広がる貸会議室
講義
貸会議室の利用方法は広がり続けています。今回ご紹介したように、企業研修のスタイルや内容も多様化し、フレキシブルに、そしてリーズナブルに使用可能な貸会議室の重要性が高まっていると言えます。
最近はマルチパーパスで利用できるだけでなく、高級感あふれるインテリアを備えた貸会議室も増えてきています。企業研修のスタイルが広がりを見せている現在、多目的できめの細かいサービスを提供してくれる貸し会議室の存在は、日本のビジネスにおいて、ひじょうに重要な役割を占めるようになっています。
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